私が勉強会に行かなくなった理由

 ITエンジニアの間では、勉強会という文化があります。特定の技術に焦点を絞って、それについて学習しようというもので、大変意義のあるものです。

 しかし、私はプライベートの時間を使ってまで行くことは稀です。その理由について触れてみます。

なぜ勉強会に行かないのか

「勉強」するということ

 「勉強」という言葉には、「嫌々やっている」というニュアンスが含まれます。

 エンジニアリングはクリエイティブな仕事で、興味を持って手を動かしてこそ身につくものです。だからこそ、私が他の人にプログラミングを教えるときは、「プログラミングの楽しさ」を重点的に教えます。

 仕事=趣味の人には、嫌々頑張ってる人は恐らく勝てないのです。

 「趣味でプログラム書いてます!」と言うよりは、「定期的に勉強会に行っています!」の方が採用担当者にはウケが良いかもしれませんが、プロジェクトが何に重きを置いているかは、やはりプロジェクトによって異なります。勉強会をバリバリする意識高いエンジニアを求めています!というチームもあれば、アウトプットさえ出せばよい、というチームもあるはずです。それほど気にする必要はありません。

勉強会で得られるものが少なくなった

 プログラミング初心者の頃に比べて、明らかに得られるものが少なくなったと感じたのは事実です。その中でも技術者としてのノウハウは貴重ですが、SlideShareやQiitaの本人のアカウント、勉強会ブログを見れば書いてあったりします。

 スライドからは、登壇者がその時話した内容はわかりませんが、概要はわかります。それだけでも、充分な情報量が詰まっています。スライドを公開していると言うことは、即ち「それが役に立ちうる情報である」と本人が感じているからです。

 つまるところ、わざわざ集まってやらなくても、オンライン勉強会のようなものが出来るんじゃないかと思いました。

 しかし、「懇親会」を主としているような勉強会は良いと思います。全く知らない人とコミュニケーションを取ることは、あまり機会はないが重要なものです。チーム開発は独りでやるわけではないのですから。

 「読書会」でも、テーマを持ってやっていればいいのですが、本当に本を読んでるだけ、みたいな。いや、家でやれよ!と思いたくなるものも少数ながらあったりします。

 ただ、昨今のDBカンファレンスなどは非常に有用な知識を得られます。特定の製品や言語に限らず、他の技術への見識を短時間で広めることが出来ます。システムアーキテクトのような基盤設計を行う人は、こういった横断的な勉強会に行くのは非常にお勧めです。

 「技術力を磨く」よりは、「懐を広げる」「引き出しを増やす」という目的で行くのが良いと感じました。

時間は貴重である

 時間は有限です。この記事を書いている間にも時間は失われていきます。この時間をどのように使うかで、人生の価値は決まってくると考えています。

 勉強会に出席する数時間で、新しい技術をひとつ試すことができますし、技術記事を1つ書くこともできます。副業もできれば、自分が考えたサービスの立ち上げに使うこともできます。

 人生の残りのうち、自由に使える限られた時間。闇雲に勉強会に行くわけではなく、自分にとって有意義な場を厳選して行くようにしています。興味のあるものは席がすぐに埋まってしまいますが、年に数件は楽しそうな会があったりするので、情報は絶えず収集しています。

勉強した気になる

 勉強会は、参加することで「勉強した気になってしまう」という側面があります。意義は「勉強会に参加すること」ではなく、それを持ち帰って、どう自分に落とし込むかが大切なはずです。

 そして、今では独習を進めたときと比べて有用な結果を得られた、と自信を持って言うことができる勉強会は驚くほど少なくなった、ということが勉強会に出席しなくなった一番の理由です。

勉強会のいいところ

「刺激」になる

 勉強会登壇者にはいろんな人がいます。理解しがたい程の頭脳を持つプログラマもいますし、独特の世界観で人をまとめ上げているマネージャ、リーダーもいます。

 そういった人と触れ合うのは自分にとってかなりの良い刺激となることは間違いありません。

人脈を得られる

 勉強会は人脈を得るのに向いています。同じ目的を持った見知らぬエンジニアと仲良くなれる機会というのは、それほどあるものではありません。

 仕事を得るきっかけにもなりますし、何かあったときに助け合えたり、研鑽しあえたりします。こういった財産を得る機会はすごく貴重ですから、勉強会に出席する大きな理由になります。

結論

 勉強会は、それが自分にとって役に立つかどうかは人によります。「勉強会行ってない」と言うと引かれたりもしますが、割とベテランなSEに共感を得られることも少なくありません。意外と同じ結論に達する方もいるのかもしれません。

 私が言うのも変ですが、勉強会は良い文化です。役立てられる人は是非行きましょう。逆に、役に立たないと感じている方は、無理に行く必要はありません。

趣味会なら行きたい

 楽しいことやるなら大歓迎です。纏まった休みが取れたらISUCONとかもやりたい。最近はGoとかErlangのElixirとか興味あります。WebAssemblyとかも。普段出来ないものを研究するのは良いですね。