エンジニアのブログ運営にVPSを勧める理由

 なぜ、自分はVPSでブログ運営をすることにしたのか?その理由を整理してみました。

ブログ運営の選択肢

1.ブログサービス

 amebaブログや、FC2ブログはてなブログが有名ですね。

 最も気軽に始められるブログですが、ブログ機能に特化しているだけあり、読者を集めたりアクセス解析、スマホからの投稿などの機能は最も充実しています。

 「とりあえずブログを書きたい」という方にはおすすめできます。

2.一般的なレンタルサーバー
 さくらサーバーや、エックスサーバーなど、様々なサービスがあります。

 いずれも安価に作成でき、カスタマイズも自由にできますので、簡単なHTMLやjavascript、CSSなどを独自に作成したい、という方にもおすすめです。

3.自宅サーバー
 なんでも自分でやりたい。そんなあなたに。

 確かに、CPUやメモリ、HDDなどは自分でカスタマイズ可能ですし、比較的安価に運用することができるのは間違いないのですが、次の理由であまりお勧めはしません。

  • 物理的な故障時に迅速な対応が不可
  • たいていのISPではアップロード側のトラフィックに規制がある

 外出時にサービスが停止してしまうことを想定するとリスクが高く、トラフィック規制に引っかかると可能性が高いことなどを考えると、万人にお勧めできるとは言えません。

4.VPS
 レンタルサーバーよりは値が張りますが、なんでも制限なくやりたい!root権限がほしい!という方にはおすすめです。

 ただセキュリティ上の懸念点が多く、セキュリティが甘いサイトはクラッキングの踏台にされることも少なくありません。

 常に最新のセキュリティ情報と、それを活かす技術力が必要です。

 最近では、gitやjenkinsなどをインストールして開発拠点として利用している方も少なくなさそうです。

5.IaaSやPaaS

 VPSより柔軟なサービス開発ができますが、従量課金制が多く、費用面での負担が大きいでしょう。

 逆に言えば、そこに費用を掛けられるのであれば、これらのサービスを候補として考えても問題ありません。

エンジニアにVPSをお勧めする理由

 フルスタックエンジニアという言葉がつい最近流行ったように、「なんでもできる」エンジニアが求められているようです。javaやC#のコードだけ書いていればそれで良い、というわけではなく、実運用サーバーであるLinuxや、ネットワーク、セキュリティの知識も要求されています。

 例えば、今現在組み込み系を担当している人でも、将来的にWeb系に移行するかもしれませんし、クラウドと連携するようなファームウェアを作りこむ際に、サーバーサイドの知識が重宝されるかもしれません。

 未来のことは誰にもわかりませんが、いずれにせよ、Webでしっかり動くものを作った経験は、その後に生かせることでしょう。

Linuxへの理解

 コマンドベースのインターフェースを持つLinuxは、最初は非常に癖が強く、取っつきづらいかもしれません。

 しかし、今後もサーバーのOSがGUI化するとは思えません。CUIは、慣れてしまえば離れられない魅力も併せ持っているのです。

 今後エンジニアを志す人や、既に業務に携わっている方も、OSインストールからの環境構築手順は是非学んで欲しいことのひとつです。

セキュリティに対する意識

 VPSに限らず、自分でサーバーを運営するようになると、必ず直面するのがセキュリティの問題です。

 大企業での情報流出が頻繁に起きていますが、個人が管理するサーバーであっても、踏台にされたり、マルウェアやウィルスを仕込まれたりして、閲覧者に損害を被らせることになるケースがあります。

 サーバー運営には責任が生まれます。もし、あなたが重要な情報をサーバーに保管していなくても、悪意ある者にサーバーを乗っ取られるリスクを常に認識してください。

Webアプリの開発

 VPSは、基本的には何でもできます。たとえば、何かフレームワークを利用して新たにWebサービスを開発したときでも、VPSであればスムーズにデプロイできます。

 何かを形にするということは、とてもエネルギーの必要な行為です。徐々に基盤を固めていきたいものですね。

高品質な経験と学習

 チームには職責があります。誰かが設計をしなくてはなりませんし、誰かがテストをしなくてはなりません。大抵の場合、プロジェクトマネージャーはテストを行いませんし、テスターやコーダーがプロジェクトをマネジメントすることもありません。

 ところが、自分でWebサーバーを運営するとなると、構築から運用まで、すべて自分に委ねられています。

 チームではテスターの役割を担う方も、設計やコーディングという貴重な経験ができますし、プロジェクトマネージャーの視点からも、現状の下流工程を理解するきっかけになることでしょう。

 自分の職責外のことを全て知る必要はありませんが、知ることでマイナスになることはありません。積極的に経験を積むことは、自分の力になるはずです。

手順どおりに進めるということ

 Linuxや、VPSを主題として、あらゆるサービスを展開するためのドキュメントは、検索すれば容易に手に入ります。

 最初は、コードをコピーしたり、手順どおりに進めるだけで構いません。極端なことを言えば、それらの設定項目が何を意味しているかすら、知る必要はありません。

 大切なことは、それを形にしてみることです。

まとめ

 単に情報を発信するだけであれば、既存のブログサービスを活用するだけで事足りますし、面倒な手順も必要ありません。

 しかし、もし、今学習や経験が必要だと感じておられるなら、ぜひVPSを活用してみることを強くお勧めします。